「刺と猫」作品解説🍪🐱
「刺と猫」400×324mm
アクリル 赤貝箔 パネル
2020
『ポケットの なかには ビスケットが ひとつ
ポケットを たたくと ビスケットは ふたつ』
童謡・ふしぎなポケットの様に、少女がそれを持っていたら?
ポケットの中の猫を見つめる瞳は、一体何を想うのでしょうか?
ちょっぴり悩ましげな少女の想いに誘われて 甘いお菓子を口にする度、
彼女の不思議な魅力の虜になってしまうかも。
背景全面には赤貝箔を使用。
研磨したパネルの上に 絵の具を何層も重ね、 少女や猫と過ごす様に描きました。
何もかも思い通りにいったらどれだけ良いだろうと 歯痒く思う時があります。
日々を生きていると、何でもないフリをしていても
本当は欲深くて 羨ましくて、自分が 堪らなく鬱陶しく醜くも感じます。
それでも 不満があるからこそ、喜びが生まれる事も知っていて
この枯渇感も 変化を求めて進む 何事にも変えがたい想いなのだと思います。
むず痒くて爪を立てなければどうしようもなかったり、
チクチク痛くて 無性に甘えたくなる衝動も 私は愛おしく感じます。
作品の彼らと共に 時を刻む様に、そんなあなたの飛躍を想っています。
流川かずえ